おもしろおかしくやるんべぇ~ゆとり世代も悪かねぇ~

THEゆとり世代。さとり世代とも言われる世代「ふたば」の見方や考え方、そして日々の学びをまとめたブログ。

オンライン授業について思ったこと

 

昨年の2学期に一度やってみた取組み。

 

あまり使われていないタブレット端末が勤務校にありました。

しかし校内にWi-Fi環境はありません。

 

どうにかいい方法はないかと思い、

授業のポイントを絞って動画にまとめ、それを入れておくことで、

子供たちがいつでも自由に観られるようにしておきました。

 

www.futaba1107.com

www.futaba1107.com

 

 

やってみた結果ですが、

 

最初は食いつきが良かったです!

 

 

 

ただ子供たちの様子をよく見ていくと、、、

 

 

単元内で自由に先に進んでも良いことにしていたので、成績上位群の子は動画を観ながらどんどん進めていきます。

 

しかし、だんだんと観なくなります。

 

上位群の子にとっては、解説さえ不要。

教科書と単元の計画表(課題と評価がまとめてあるもの)があれば十分でした。

 

例えばYouTubeにある解説系の動画など、分かりやすくまとめてあっていいものの、自分のペースで進められないのがネックです。

通常のスピードだと遅いので、私はいつも1.75倍とか2倍でいつも観てます。

また、分かりやすくしようとする説明がかえってくどく感じて、「早く本題に」と思ったりもします。

 

この感じ方は人それぞれなので、なんともですが…

 

この私でさえそうなのだから、成績上位群の子たちにとっては、きっと普段の授業から「もっと早く、もっとシンプルに!」と感じているのではないかと思います。

 

 

 

続いて成績下位群の子たち。

 

同じ動画を何回も観て理解しようとしていました。

しかし結局理解できていませんでした。

 

普段だと困っていれば誰かが声を掛けてくれたりします。

しかし動画を観ているのでいいかな、と思って周りが声を掛けません。

 

授業の動画を観たからといって、理解できるか、技能が身に付くかは別の話です。

 

むしろ他の子との繋がりが弱まってしまって、理解できぬまま時間だけが過ぎてしまう…

とデメリットの方が大きく感じました。

 

 

最後に成績中位群。

自力で学習を進めるのは難しくとも、教科書と動画を併用しながら理解しているようでした。

 

動画による効果が見られたのは、この層(クラスの2割いるかいないか)でした。

つまり普段からも、教科書を読み先生の説明を聞くことで理解していた子たちです。 

 

教室のタブレット端末は全員分はありません。あくまで補助としての活用です。

そのため私も、毎時間普段通りに黒板を使って内容の説明をしています。

 

動画を観るよりはそのライブ感の中で一緒にやる方が良いらしく、

 

結局動画を観ながら学習を進める子はいなくないましたとさ、ちゃんちゃん(^^)

 

 

 

 

オンライン授業でできるのは、今のところ、授業における「伝達」の部分だけです。

どんな学習をするのか、どんな内容か、評価はどうするか、そうしたことは伝えられます。

 

ただ漢字を正しく書いたり計算を正しく解いたりするような「定着」を図ること、

分かったことを新聞などにまとめたり、他者に分かりやすく説明したりする「活用」につなげることができるかどうかは、子供たち次第、保護者次第になってしまいます。

 

もちろん今までも家で取り組んでいた子ならできるでしょうが、そういう子ばかりではありません。

 

家では集中して学習できず、

家とは違う場所、勉強をする場所である「学校」が必要な子もいます。

 

同年代の子がいることで、

「あいつには負けられない」

「あの子にいいところを見せたい」

「みんなの役に立ちたい」

というような想いが、学習意欲につながったりします。

 

また友達の作品や考えがヒントになったりして、学びが深まったりもします。

 

 

オンラインミーティングやオンライン通話などを活用し、子供たちが相互にやり取りできれば補えるかもしれませんが、そもそもそうした環境がほとんど整っていないのが現状です。

トラブルを回避するため、今までむしろ禁止する傾向であったはず。いきなり使うようになり、ではいざそうしたトラブルが生じた時に対処できるのかといえば、うーん。

ネット上で起こしたトラブルは取り返しがつきません。一生傷が残ります。学校内であればまだ教員の目がありますが家庭になれば、ましてやネット上では届きません。保護者がついていてくれればいいですが、仕事に出ていれば誰の目も届かなくなります。

 

高校生とかある程度大人に近づけばできるかもしれませんが、それ以下の子たちに今いきなり導入するのは非常にリスクが高いなぁと感じます。

 

そうしたリスクを承知で導入するか、

他に「やり取り」を実現する術を見出すか、

 

今後のポイントはコレですね!

 

 

 

 

 

 

以前、タブレットに入れた動画は私の授業でした。

 

しかし授業の達人的な一流の人の授業の動画ならどうでしょうか。

私のよりきっと効果があると思います。

 

しかしそれでも合う子と合わない子がいるはずです。

 

練りに練られたものでさえそうだとすれば、

今から授業を動画に撮って流すより、既にあるコンテンツを活用した方が良いと思います。

 

小学校の理科や社会なんて「NHKforSchool」で十分です。分かりやすくポイントをまとめた動画になっています。

 

www.nhk.or.jp

 

というより、こういう動画(話す人が映らない、すべて内容に関連する映像のやつ)で良いのではないでしょうか。

 

なぜわざわざホワイトボードや電子黒板を使って、人が解説する必要があるのか。

 

「授業」=先生が前で説明するという、従来の授業のイメージから抜け出せていない感が満載です。

 

NHKforSchoolのような動画を作り込む時間がないからだとすれば、なおさら、

今新しく作るより、既に作ってあるものを活用する方がクオリティも高いし、良いと思います。

 

 「この動画を観たらいいよ」と提案するとか、動画では分からない部分を補足するとか、観ても分からない子をフォローするとか、そうしたことが今後の教員の役割となってきそうです。

 

 

 

 

学校が再開され、

もし今後、一人一台ずつのパソコン、タブレット端末が配備されたらどうなるでしょうか。

 

先に述べたように、「伝達」の部分、特にその教科の内容に関するものは、既にあるコンテンツを活用すればこと足りてしまいます。

 

教科書そのものがデータ化され、全員のパソコンやタブレット端末にインストール。

授業の達人的な人や、説明の上手な芸能人などが授業の解説をし、そうした動画を観られるようにすれば、その教科書会社には注文が殺到する気がします。

一般的な教師が授業をするより、はるかにレベルが高いはずですから。

ということは「授業をする」必要性が薄れます。授業のスペシャリストが日本に数人いれば十分。そしてそれは教員である必要もなし。

 

そうなると教員の役割は「課題の提示」「児童同士をつなげる」「動画などのコンテンツでは理解しきれない子へのフォロー」「評価」などがメインとなってくるでしょうか。

 

子供対子供、子供対教員、

学校であれば相互のやり取りができますが、

先ほども述べたように学校という環境が無い状態でどう実現するかは今後の課題です。

 

ただ一人に一台配備されれば、使い方を確認した上で、オンラインでのやり取りになってくるのかな。

 

 

子供たちは自分のペースで学習を進められるようになり、今後は全員が同じ時間に同じことをやる必要性も薄れていきます

 

同じ時間に国語をやっている子もいれば、算数をやっている子もいる。

進度が早い子は、次の学年の内容をやっても良いわけです。

 

こうなってくると、その時取り組む課題が同じ者同士で繋がるようになり、

「学級」や「学年」といったまとまりも薄れそうです。

 

 

今スタートを9月にするとかなんとやら、、、と話が出ていますが、自分のペースで進めていくようになれば、全員がスタートを合わせる必要がなくなります。一斉に入学式や卒業式をする必要もありません。

 

学校に入る子に対して、年長者が学校のルールやマナー、パソコンやタブレット端末を使った学習の進め方、友達や先生との関わり方などを説明する新入学ガイダンス。

 

そして「〇年社会」というような単位をすべて履修し終えたところで卒業認定。

一応卒業するときの年齢を合わせるのであれば、すべて履修したら、卒業までの間は、何かの制作や研究をするとか、自宅での学習にするとか、受験をするならその対策に充てるとか、時間を自由に使うようにすればいい。

 

江戸時代の寺子屋みたいだ!

(ちなみに寺子屋は民間の教育機関だそうで。公教育が動けなければ、今後民間の教育機関がより発達してくるだろうか。)

 

全てデータ化されているので、どの単位まで取れていて、今どの課題に取り組んでいるかなど、個々の進度をすべての教員が分かるようになります。

一人の教師が30人40人の子供を見るのではなく、複数の教員が見るようになる。

子供も困ったことがあれば、相談しやすい先生に相談すればいい。

 

みんながそれぞれバラバラに学びを進めていくならば、学校行事や部活動の在り方なども変わってきそうです。

 

 

とまぁ、これらは勝手な思い付きですが、

授業のオンライン化が進み、一人一台のパソコン、タブレット端末が配備されれば、

学校がこんな風に変わることも全くない話ではないと思います。

 

 

世間で言われているオンライン授業は、

今の状況が収束し、学校が今までのように再開されるまでの「つなぎ」として扱われているような気がしますが、

 

一度オンラインでも学習できると分かったときに、これからも全員が学校に来てこれまでと同じように学習をするでしょうか。

 

休校になって「やったぁ、休みだ!」となったけれど、それが長引くと「早く学校に行きたい、友達に会いたい」となる。

ではいざ再開されれば「やったぁ、学校だ!」となるけれど、それが日常になると「休校で家で好きなことをやれた時は良かったなぁ」となる子も絶対出てきます。

 

学校に行きたい子、学校が好きな子は行くだろうし、

これまでがんばって登校していた子などは、週に何回かの登校、あとは家庭でというようになるかもしれません。

 

 

 

一緒に学ぶ、遊ぶ、給食を食べる。

子供たちは自然と距離が近くなってしまいます。

 

子供たちが学校に行きたいのは、きっとみんなと「密」でいたいからだと思います。

 

しかしそうしたことにも常に配慮しなければなりません。

 

学校という、同じ環境にいることの良さを制限されるのであれば、リスクを侵してわざわざ登校する必要はあるのでしょうか。

 

 

 

また今シーズンは乗り切っても、来シーズンの流行期が来たらどうするのでしょう。

流行の度に休校でしょうか。 

いつまでもそうはいきません。

 

 

 

 

 

オンラインでの学びは今に始まったことではなく、N高など注目を集めていました。

 

今回の件で、オンラインでの学習がより世間一般に認知されるようなっただけです。

 

 

一度そうなったら、もうそれ以前に戻ることはできません。

 

授業のオンライン化という「変化」が、

より大きな「変化」の可能性を秘めています。

 

 

既にあるコンテンツや、各都道府県がYouTubeやテレビなどで流す授業動画を活用しつつ、課題を出したり回収したりしつつ、学校再開後の準備もしつつ、

 

 

今後予想されるもっと大きな、「学校」の、「学校教育」の変化に備え、準備をしなくては。

「そういう状況に置かれているのだよ」、と自分に発破をかけます!

 

正直おそろしい。

 

 

けれど、やるっきゃない

 

 

おもしろおかしくやるんべぇ♪