今回読んだ本はこちら。
児童向けの本ではありますが、
大人が読んでも面白いと思います。
よくある有名な言葉。
「(今年)小学校に入学した子供たちの65%は、大学卒業時に今は存在してない職業に就くだろう」
2011年に、ニューヨーク市立大学のキャシー・デビットソン教授が、
ニューヨークタイムズ紙のインタビューで語った言葉です。
しかしこちらの記事にもあるように、65%の根拠が、
実際は極めて曖昧なようです。
引用するなら、ちゃんとその根拠を考えて判断しないとですね。
そしてまた有名な言葉。
「2050年には、現在ある職業の47%はAIによってなくなる」
こちらはオックスフォード大のマイケル・オズボーン教授が、
2013年に発表した「未来の雇用」という論文で予測したものです。
702の職業を、AIやロボットによってどれだけ自動化されるかを計算し、
そのうちの47%が置き換えられるリスクが高い、と示したものです。
ということは、この702の職業に含まれなかった職業については断定できません。
そしてリスクが高いというだけで、その職業全てがなくなると言っているわけでもありません。
例えば、比較的安価でメジャーなロボットによる介護と、高額になる人の手による介護、というように、
その職業の主流が変わったとしても、一定数は今ある職業は残るのではないかと思います。
まぁ、ロボット介護と共存する「人の手による介護」は、今の介護職とは違う新しいもの、ということもできるかもしれませんが。
この2つを、文科省も「教職員等の指導体制の在り方に関する懇談会提言」の中で取り上げているわけですが、
この65%と47%という数字と、ハッとさせられる文章から、
「今ある仕事の半分は無くなるから、生き残るには今ない仕事を生み出すしかないよ。」
と誤った解釈をしかねないな、と思います。
子供に読ませようと思うなら、こうした点をちゃんと大人が分かっていないとね(^^)
現状を見ると、
このコロナ騒動で一気に有名になったのがオンラインサービスに、zoomやslackがあります。zoomは2011年から、 slackは2013年から。
それ伴いオンライン上でセミナーを行う、なんてものも増えています。
確かに新たな仕事がどんどん生まれ、その存在感を増しています。
しかしこうしたものが増えれば次第に淘汰され、よりよいものいくつかが生き残るだけでしょう。
根拠のない、私の感覚ですが、
今後、世界で主力になっていく業種の65%くらいは、
確かに2011年には存在しなかったものになっているかもしれません。
ただ子供たち65%が、そうした業種に就いているかと言えば、そこには疑問が残ります。
今後主力になる業種に就き、最前線で活躍する子が一部はいるものの、
多くの子は今ある業種に就いているのではないかなぁと。
とはいえ今ある業種も、いつまで存在しているかは分かりません。
仕事をしながらスキルを磨き、他業種の人とのつながりを持ち、
いざというときには転職できる、新たに企業できる準備は怠らない方が良さそうです。
前回読んだ本、
この著者の出口先生へのインタビュー記事が、「今ない仕事図鑑」に載っていました。
「教えるということ」の中で、
「どんな教育を受けてきたのか」という質問に対し、
「両親にはいつも『なんで?』と問い返された」と答えた女性の話が取り上げられていましたが、
その女性と思われる方のインタビュー記事も、「今ない仕事図鑑」に載っていました。
個人的に一番驚いたのが、
この著者はすごく若い方で、
「こども六法」はクラウドファンディングによって書籍化を実現していたということです。
自身の過去の経験が、どのように今の仕事に結び付いているか、
そうしたその人の生きざまが表れているので、
「今ない仕事図鑑」を読むならば、それぞれのインタビュー記事がおすすめです✨
巻末に載っている、自己分析シートも、
やってみたらおもしろそうです(^^)
今ない仕事100が紹介されていますが、
これは実現可能かは分かりません。なにせ「今ない」のですから笑
ただ、世の中の変化や新たな研究成果などから、
「どんなことができそうかな」
と考えてみるきっかけとしては良いかなと思います。
久々に児童向けの本を読みましたが、
考えさせられることがいろいろとありました。
ありがたや(^^)
おもしろおかしくやるんべぇ♪