今回読んだ本はこちら。
辻村深月さんの「ツナグ」
辻村さんの作品を読むのは2作目。
以前「かがみの孤城」を読んだことがありました。
その時はおススメされて読んだのですが、
おもしろくって一気に読み切ったことを覚えています。
そして今回の「ツナグ」もまた、おススメされたので読んでみました。
(ツナグの方がかがみの孤城より過去の作品だけど)
一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者(ツナグ)」。
使者である主人公の歩美と、依頼主ごとに違うエピソードがまとまった長編小説です。
かがみの孤城を読んでからだったので、小学校高学年くらいでも読みやすいものかと思いきや、
生者と死者、立場の違う両者の心情から、生と死についても深く考えさせられる、
深いというありきたりな言葉でしか説明できない自分の語彙力のなさを恥ずかしく思う作品でした。
最初は「同じようなエピソードが続くのだとしたら先が長いなぁ」と感じながら読んでいたのですが、
「親友の心得」の章、女子高生のストーリーで、一気に没入スイッチ入りました。
この心理描写、すごいわぁ(またしても語彙力のなさが…)。
そして最終章、「使者の心得」も良かった。
個人的に、それぞれの章が独立しているのではなくて、どこか繋がっているパターンが好きなのでそれもハマった要素の一つ。
最近はYouTubeで動画ばかり観ているのだけれど、正直飽きてきた。
動画は分かりやすくていいのだけれど、その分かりやすさがつまらなさにもなる。
何か新たな情報、ノウハウを得たいときには、動画は分かりやすくていい。
DIYやら料理やら。
ただ物語は、分かりやすさが邪魔になる時もある。
自分の経験と重ね合わせたり、想像で補ったりできる余地が欲しい。
映画って難しいなぁ、と思う。
一つの物語を語るのに、2時間という尺は短い。
結果として詰め込みすぎになってしまうし、かといって時間を伸ばしてだらだらと続くのも飽きる。
最近はストーリーよりも映像美で勝負してる感があるので、ちょっと私の望むものとは違う。
ただ、小説は小説で、読むのに時間が掛かるんだよなぁ…
そのあたりも、難しいなぁ。
絵本やらマンガやら、絵があると分かりやすい。
しかしその分かりやすさに、いつか飽きる時が来るのではないか。
活字の本を子どもに読ませたいと思うなら、
まずは飽きるほど絵本やマンガを読ませればいいのではないかと思う。
絵本やマンガには絵本やマンガの魅力があり、
活字の本には活字の本の魅力がある。
同じように、ラジオなどの音声には音声の、
テレビ、映画、YouTubeなど、動画には動画の魅力がある。
これらは対立するものではなく、
どれが優れたものか、と考えるのも少し違う気がする。
それぞれの良さがあり、あとは好み。
私は、よりシンプルなものが好きかな。
そう考えると、情報を極限まで削った「俳句」という文化、凄いなぁ。
ハマったりして(^^)
あ、「ツナグ」には続編もあるらしいので、
いつか読みたいなぁと思います。
おもしろおかしくやるんべぇ♪