今回読んだ本はこちら。
学校の「当たり前」をやめた。 ― 生徒も教師も変わる! 公立名門中学校長の改革 ―
- 作者: 工藤勇一
- 出版社/メーカー: 時事通信社
- 発売日: 2018/12/01
- メディア: 単行本
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最近何かと話題の麹町中の取り組み。
その校長である工藤先生の著作。
この本自体も結構話題に上ってます。
帯に書かれた言葉。
スパっと痛快に現状の問題点を指摘しています。
「みんな仲良く」と教室に掲げても、子どもたちは仲良くなりません。
他者意識のない作文、目的意識のない行事、すべてやめませんか。
何も考えずに「当たり前」ばかりをやっている学校教育が、
自分の頭で考えずに、何でも人のせいにする大人をつくる。
でも、「当たり前」をやめるというのは、ただやめるだけではありません。
その目的を見つめ直し、重要度が高くなければやめる。やる場合には目的を達成するためのより良い方策を見出す。ということです。
はっきり言って当たり前のことです。
しかし、新しいことを始めるのは簡単でも、何かをやめるというのはなかなか難しいのが現状です。
そこにしっかりと向き合い、矢面に立って、他者との対話を通して改善していく。その積み重ねが、改革とも呼べるものになっていくのだなと思いました。
大きなことをいきなりやる必要はない。小さなことでも変えていけば、やがて大きく変わる。
教育困難校を立て直す最初の一歩が「掃除」だったように。
リーダーとして、最前線で、時には批判も受けながら進む覚悟。
工藤校長にはそれが備わっているのだと感じました。
とはいえ麹町中の取り組みはものすごい。
これは工藤先生の人脈と、
そして麹町中の保護者や地域、OBが大きく関わっていますが。
でもそうした方々の支援を得られるようにしたことが大きい。
どの学校でも同じようにすればよいのではなく、
どんな学校にして行きたいか互いに意見を交流し、共に創り上げていけばいいのだと思います。そうじゃなきゃ第二の麹町中を目指すだけですから。それは上手くいかない。
言葉にすれば簡単です。実際はなかなか難しい。だからやらないか、それでもやるか。
やはり最後は覚悟だと思います。
あと工藤校長は「未来の教室」とEdTechに携わっていることもあり、「小さな学校」についても書かれていたのが個人的には嬉しかったです。
最後に、文中で最も心に響いた言葉。
学校は本来、社会の先頭に立っていた場所で、教員は社会の最先端で働く人たちでした。
むしろ民間の方々が学校で学び、社会に飛び出して活躍していたわけです。
「よっしゃ、やってやろう!」って感じですね。
おもしろおかしくやるんべぇ♪