県外の大学へ進学したが、採用試験は地元群馬を受けようと考えていた学生時代。『学び合い』との出会いは運命的。地元に戻ったら実践したいと強く思った。
支援校では研究室のメンバーや、理解のある先生方がいる。守られている。
地元に戻って「勤務校で唯一の『学び合い』教員になったとき、どうしたらよいか」
それが私にとって切実な問題で、やがて研究テーマとなった。
「ブログやSNS、『学び合い』の会などを通じて他の実践者との繋がりをつくり、相談すること」、「結果を出す、職場で率先して働く、情報を発信するなど『学び合い』に限らず同僚や保護者と折り合いをつけること」が大切だと、アンケートやインタビューの回答から得られた。
つまりとてもシンプルな話で、『学び合い』で子供たちに求めることと同じことを自分自身もすればよいということが分かった。
地元に戻って実践を始めると、理解していたはずなのに、上手くいっていると思っていたのに、だんだんと機能しなくなっていった。原因は一人で勝手に突っ走ってしまったから。今は原因が何か分かるが、渦中にいるときには気づけないものである。タイムマシンがあったら「何を研究してたんだい、折り合いつけなよ。」と声を掛けたい。
ただ相談できる方が近くにいて、すぐに軌道修正することができたのが幸いだった。
その後は同じことを繰り返さぬよう、常に自分を客観的に見るようにし、なんとか安定して実践できるようになっていった。
またお声がかかり、失敗をしないための、困難を乗り越えるための本の執筆のお手伝いもさせていただいた。
そして今。
各地で『学び合い』実践者が増えている。理論、ノウハウ。どちらに関する書籍も充実している。取り組むことへの敷居は低くなっている。書籍のみが情報源という実践者も多いだろう。
誰もが某かの悩みを抱く。『繋がり』があれば相談でき、乗り越えることができるはずだ、しかし誰とも『繋がり』がない場合はどうする。そうした実践者が悩みを抱えたとき、どう乗り越えたらよいのだろうか。『繋がり』を持つことが得だと気づいてもらえるか。
幸い私の回りには『学び合い』の会がたくさんある。私にできることはそのなかで『繋がり』をつくり、私の「これまで」を伝え、やり取りを継続すること。それが私の「これから」
『繋がり』がない実践者を探し出すことは難しい。
そういう方に、この本が届いてほしい。
※以前この記事を書いた時よりも、この本の必要性は高まっていると思います。
方法論から抜けだし、考え方レベルでの理解者が一人でも増えますように。